緊急地震速報で家族をまもる
「日頃の備えと訓練で地震への対策は完璧だ」という方は非常に稀だと思います。
緊急地震速報が鳴り数秒から十数秒の余裕があっても、
「本当に来るのかな?・・・あ、来た。ヤバ!でかい!」
こんな感じの人がほとんどではないかと思います。
とはいえせっかくの素晴らしいシステムです。短い時間で何かできることはないですか?
せめて身を守るだけでも・・・。
そう。
身を守る。これこそが最大の目的です。
あなたの、そして家族の命を守る行動だけをとってください。
緊急地震速報とは
地震初期の小さな揺れ(P波)を捉え、後から来る大きな揺れ(S波)を予測。
震度4以上が予測される地域に、強い揺れが来る前にテレビ、ラジオ、携帯電話等で知らせるものです。
ただし震源に近い地域では発表から揺れまでの時間が短く、間に合わないことがあり、また誤報があったりと、システム運用には課題も多い。
しかし正しく機能した場合、震源から離れた地域では数秒から数十秒程ですが揺れの到達までに時間の猶予ができます。
このわずかな時間に命をまもる行動をとるため、2007年10月1日より運用が開始されました。
大切なお孫さん、子供、家族をまもるために、緊急地震速報が鳴った場合の行動を記します。
家族の命をまもる=家族の頭部をまもる
身体で一番重要なのは頭です。
地震では頭に物が落ちてきて致命傷となることが考えられます。
腕や足ならたとえ両方を失ったとしても生きられますが、頭は少しの衝撃でも命取りになります。
頭をまもることが命をまもることです。
屋内にいるとき
自宅で緊急地震速報が鳴った場合
強い揺れが来てからでは自分の意志で動くことは難しいです。何かにしがみつくか、しゃがみこんで身を守るくらいしかできないでしょう。
何か行動することができるのは揺れが来る前の、この時しかありません。
最優先で守るべきは頭部
とにかくその時近くにあるもの、カバンや雑誌何でもいいので頭をまもってください。そして頑丈な机の下等に身を隠す。
小さなお孫さん・子供がいる場合は、速やかに机の下に避難させましょう。
あなたが潜り込むスペースがなければ両手で頭を覆い落下物から頭をまもって下さい。
もし、小さなお孫さん・子供を隠れさせる場所がなければ、子供と向い合せになり、頭をあなたのおなかのあたりに置き、体を丸めて子供とあなたの頭をまもって下さい。
危険が密集 「キッチン」
主婦にとっての仕事場であるキッチン。しかしキッチンには危険がいっぱいです。
冷蔵庫・食器棚等の転倒、食器類等の割れやすいものや包丁、ガスコンロ・ポット・熱された油等の熱を持ったもの等危険要素が詰め込まれています。
しかし、緊急地震速報はここでももちろん鳴ります。
ガスコンロの目の前にいて、火を使っているなら速やかに火を止めましょう。
しかし、コンロから離れてしまっている時に無理に火を止めようとすると、すぐに揺れが来てしまった場合、自ら危険に近づいてしまうことになるので、この場合はすぐに命をまもる行動(テーブルにもぐる等)をとってください。
閉じ込められる? 「トイレ」
ドアが歪んで開かなくなって出られなくなるおそれがあります。
緊急地震速報が鳴ったら閉じ込められないようにドアを開けて、速やかに避難できる状況をつくってください。
家族が閉じ込められて中で意識を失っている可能性があるので、避難することになった際には中を確認することも必要です。
商業施設等で緊急地震速報が鳴った場合
施設の従業員の指示があればそれに従ってください。
指示がない場合は落下物のなさそうな場所で頭を保護してください。
あわてて出口や階段に向かうとパニック状態になり非常に危険です。
人ごみの中では冷静に行動することが求められます。
エレベーターでは
全ての階のボタンを押し、最初に止まった階ですぐに降りてください。
もし、閉じ込められてしまったら「呼び出しボタン」を押し外部と連絡をとってください。
小さなお孫さんや子供は怖がってしまうかもしれませんが、「がんばったらご褒美をあげる」等、話しをして落ち着かせましょう。
屋外にいるとき
車の運転中に緊急地震速報が鳴ったら
急ブレーキを踏むと追突される危険があるので、ハザードランプを点灯してゆっくりと左側に停車してください。
揺れが収まるまでは車内で待機してください。
安全に移動できるなら車は駐車場か広場に停めてください。
避難する際には鍵を付けたままドアロックはせずに、車検証を持ち連絡先メモを残してから離れましょう。
一度避難すると次にいつ戻れるかわからないので貴重品は残さないように気をつけてください。
お孫さんや子供もたいへん不安だと思います。車内に飲み物や飴等があれば持ち物に入れてあげましょう。またティッシュやウェットティッシュがあれば何かと役に立つので、持って出ましょう。
トンネルの中では
トンネルの場合天井や壁面の崩落の危険があるので、出口が近ければトンネルを抜けることを優先して走行を続けます。
出口まで距離がある場合は非常口まで走行し、左側に車をよせてから避難してください。
外出先で緊急地震速報が鳴ったら
街中では
ブロック塀の倒壊や落下物に注意しながら、公園等の安全な場所に避難してください
広い安全な場所に避難できない場合、新しくてしっかりとしたコンクリートのビルに避難してください。
駅では
落下物から頭をまもりホームから転落しないように気をつけてください。
混雑している場合はその場で頭をまもりうずくまって揺れに備えてください。
お孫さんや子供とは、はぐれないようにくれぐれもご注意ください。
電車やバスの中では
強い揺れを感知すると電車は緊急停止します。
揺れが到達する前に身をまもる態勢を整えましょう。
お孫さんや子供には、手すり等つかまれるものがあればしっかりとつかませて、自身も急ブレーキや、普段とは全く異なる揺れに備えてください。
山間地では
落石や、土砂崩れの危険が高まります。
がけ崩れ、地滑り、土石流等、非常に危険な地域です。
緊急地震速報を聞いたら速やかに斜面や崖から離れてください。
緊急地震速報まとめ
緊急地震速報に気づいてから実際に強い揺れが来るまではごく短い時間です。
実際にこの間にできるのは自分の身を守ることで手いっぱいだと思います。
では、どうすれば家族の命をまもれるのか?
それは
あなたがここで見たこと、感じたことを家族に伝えてください。
家族をまもるには情報を与えることが最も重要だと私は考えています。
この後すぐに、ご家族とお話ししてみてください。
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